解体におけるカッター工法とは ｜スマイル解体@札幌

【カッター工法とは】

建物や構造物のコンクリートやアスファルトを切断するために、ダイヤモンドブレード付きのカッターを用いる工法です。
解体工事では、騒音・振動・粉じんを抑えながらコンクリート部材を分離・撤去できる点で広く使われています。

1.《主な種類》

（a）. フロアソーカッター工法

・路面や床を水平に切断する際に使用

・アスファルト舗装撤去、床スラブの切り離しなど

（b）. ウォールソーカッター工法

・壁面や斜面にレールを固定し、カッターで垂直・斜めに切断

・開口部の新設、耐震改修工事などに利用

（c）. ワイヤーソーカッター工法

・ダイヤモンドワイヤーを巻き付けて、大断面コンクリートや厚い構造物を切断

・橋脚や大型基礎の解体などに適用

2.《特徴・メリット》

・精度が高い：直線的・計画的に切断できる

・低振動・低騒音：ハツリ機に比べて周辺構造物への影響が少ない

・粉じん抑制：水をかけながら切断することで粉じんの飛散を防止

・工期短縮：大型機械に比べて小回りが利く

3.《デメリット・注意点》

・水を使用するため、汚泥処理が必要

・ブレードやワイヤーの摩耗コストがかかる

・厚みや鉄筋量によっては切断速度が遅い

4.《解体工事での活用例》

・RC造（鉄筋コンクリート造）建物の壁・床の分離解体

・耐震補強工事での開口部新設

・橋梁やダムの部分撤去

・アスファルト舗装の切り出し

【カッター工法の施工手順（一般的な流れ）】

1. 《現地調査・墨出し》

・切断対象部位の位置・厚み・配筋状況を確認

・切断ラインを墨出ししてマーキング（チョークや墨壺など）

2. 《養生・安全対策》

・切断部位周辺をシートや防水養生で保護

・水の飛散や粉じん抑制のため、周囲に養生シートを設置

・電気・給排水・ガス等のライフラインを事前に確認し、切断対象外の部分を保護
3. 《機械設置》

・フロアソー：床面にカッター機を設置

・ウォールソー：壁面や斜面にレールをアンカー固定し、カッター本体を取り付け

・ワイヤーソー：対象物にワイヤーを巻き付け、滑車で誘導

4. 《給水準備》

・ダイヤモンドブレードやワイヤーを冷却・洗浄するために水を供給

・切断中に発生する粉じんを抑制し、切断効率を高める

5. 《切断作業》

・機械を操作し、マーキングに沿って切断を開始

・厚さに応じて複数回に分けて切り進める場合もある

・切断速度を一定に保ち、ブレードの摩耗や発熱を防止

6. 《切断片の分離・搬出》

・切断が完了した部材をクレーンや人力で撤去

・重量がある場合は、吊り下げ用アンカーを設置して安全に搬出

7.《後処理》

・切断面のバリ取り・仕上げ

・排水処理（汚泥を回収・産業廃棄物として処理）

・機材撤去、周辺清掃

∬特に注意すべきポイント∬

・水の処理：発生した汚泥・スラリーは適切に回収し、排水に流さない

・騒音・振動対策：低騒音・低振動とはいえ、近隣環境に配慮が必要

・切断片の落下防止：重量部材は吊り治具で確実に保持

・鉄筋切断：鉄筋を含む場合は、ディスクカッターやガス切断を併用する場合あり