日本と海外のアスベスト規制の違... ｜スマイル解体@札幌

「日本と海外のアスベスト規制の違い」について解説します。アスベスト（石綿）は、その高い耐熱性や絶縁性からかつて多くの建材や工業製品に使用されましたが、人体に深刻な健康被害を及ぼすことが判明し、世界中で規制が進められています。しかし、規制の内容や時期は各国に違いがあります。

【日本におけるアスベスト規制】

1. 《規制の経緯》

1970年代：アスベストの危険性が徐々に認識されはじめ、一部使用制限が導入。

2004年：発がん性が明確になったことから、段階的に規制強化。

2006年：一定の例外を除き、原則として製造・使用が禁止。

2012年：すべてのアスベストの製造・輸入・使用が全面禁止に。

2. 《特徴》

・現在、日本ではアスベストの一切の新規使用が禁止。

・解体工事時などにアスベストが含まれている可能性がある場合は、事前調査・届出・飛散防止措置が義務付け。

・労働安全衛生法や大気汚染防止法などで厳しく管理。

【海外におけるアスベスト規制】

（例：欧州・アメリカ・アジア）

◆欧州連合（EU）

・2005年にすべてのアスベストの使用を原則禁止。

・EU諸国ではアスベスト除去や廃棄物処理について厳しい規制と監視体制が整備。

・国によっては過去の使用建材の全面的な除去計画を策定している例も。

◆アメリカ

・全面禁止ではない。一部の使用が現在も認められている。

・EPA（環境保護庁）が規制を行っているが、政治的・経済的理由から全面禁止に至っていない。

・使用が制限されてはいるものの、アスベストを含む製品の輸入や使用が一部で継続中。

◆アジア諸国（例：中国、インド、ロシアなど）

・中国やロシアではアスベストの生産、使用が依然として続いている。

・インドは規制が進んでいない一方で、近年になって健康被害への認識が高まり始めている。

・経済的事情から規制が遅れている国が多い。

3.《まとめ》

4.《結論》

日本は現在、アスベストの全面禁止を実施しており、建物の解体などに際しても厳格な規制があります。一方で、アメリカでは部分的な使用が継続されており、アジアの一部の国では経済的事情や制度の未整備により、アスベスト使用が現在も続いています。各国の規制の違いには、経済状況、法制度の成熟度、過去の健康被害の実態などが大きく影響しています。