解体工事についての安全対策 ｜スマイル解体@札幌

解体工事は非常に危険度の高い工事の一つで、適切な安全対策を講じることが法律上も現場管理上も必須です。以下に、一般的な木造・鉄骨造・RC造を含む解体工事全般に共通する安全対策をまとめます。

1. 《作業計画・事前準備》

【現場調査・事前確認】

建物の構造、耐力壁の位置、既存設備（ガス・水道・電気）、アスベスト・PCB等有害物質の有無確認。

隣接建物や道路、歩行者の安全確認。

【作業計画書の作成】

「解体工事計画書」や「施工計画書」の作成（労働安全衛生法で義務付け）。

重機の使用順序、作業範囲、作業員の配置、安全帯の設置位置を明示。

【許認可・届出】

建築物の解体届出（建築基準法）、道路使用許可（必要な場合）、アスベスト使用建材の除去届（特定粉じん作業）など。

2. 《作業区域の安全対策》

【立入禁止区域の設定】

フェンス・ロープ・警告看板で立入禁止区域を明確化。

作業員以外の立ち入り防止。

【足場・手すり・ネットの設置】

高所作業の場合は足場を設置。

転落防止の手すり、飛散防止ネットの設置。

【落下物対策】

解体物の落下による事故防止のため、重機の下に立たない、屋根材やガラの落下防止ネットを使用。

建物外周の歩道側は保護シート・飛散防止ネットを設置。

3. 《作業員の安全管理》

【個人防護具（PPE）の着用】

ヘルメット、保護メガネ、防塵マスク、手袋、安全靴、安全帯。

アスベスト除去作業では防護服、専用マスク、防護眼鏡。

【作業前ミーティング（KY活動）】

危険予知活動で、当日の危険要因・作業手順・避難経路を確認。

作業ごとに安全確認。

【作業指揮者・監督者の配置】

現場監督や作業指揮者による指揮監督。

高所作業・重機操作時は指揮者が安全確保。

4. 《重機・工具の安全管理》

【重機の使用ルール】

操作範囲の立入禁止。

重機の点検、作業半径内の安全確認。

荷重制限を守る。

【工具・機械の点検】

ブレーカー、カッター、チェーンソーなどの点検。

電動工具の感電防止や漏電遮断装置の設置。

5. 《環境・周囲への配慮》

【粉塵・騒音対策】

水まき・粉塵抑制ネットで粉塵対策。

近隣住宅への騒音説明・作業時間制限。

【廃棄物・有害物管理】

分別・リサイクル・産業廃棄物管理票（マニフェスト）の作成。

アスベストやPCBなど有害物質は専門業者が除去。

6. 《緊急時対応》

【避難経路・安全確保】

作業員が安全に避難できる経路の確保。

緊急連絡網の整備。

【救急・応急処置】

現場に応急処置用具（救急箱、AEDなど）を常備。

怪我や落下物事故に備えて訓練・手順確認。

7. 《特殊事項》

【アスベスト建材除去】

特定粉じん作業主任者の配置。

防護服、マスク、防塵ネットの設置。

廃棄物の密封・専用廃棄場への搬入。

【隣接建物接近作業】

建物支持・足場補強。

作業範囲の正確なマーキングと監視。

◆安全対策の基本は、「落下・転落・飛散・接触・感電」を防ぐことです。解体工事では、計画書作成・作業手順・立入禁止区域・重機管理・個人防護具・監督体制の整備が最重要になります。