解体工法の種類
解体工事には建物の構造・立地・周辺環境に応じてさまざまな工法があります。
ここでは代表的な 解体工法の種類 を整理してご紹介します。
🔨 建築物解体の主な工法
1. 《手壊し工法（人力解体）》
特徴：
重機を使わず、職人がハンマーやバールなどで人力で壊す方法。
メリット：
騒音・振動・粉じんが少なく、狭小地や住宅密集地に適している。
デメリット：
工期が長く、費用が高くなりやすい。
2. 《重機併用工法（機械解体）》
特徴：
バックホウ（油圧ショベル）などの重機を使って解体する最も一般的な方法。
メリット：
工期が短く、効率的。
デメリット：
騒音・振動・粉じんが大きく、十分な作業スペースが必要。
3. 《圧砕工法》
特徴：
油圧ショベルの先端に圧砕機（クラッシャー）を装着し、鉄筋コンクリートを挟み込んで砕く工法。
メリット：
騒音や振動が比較的小さく、鉄筋とコンクリートを分別しやすい。
適用建物：
鉄筋コンクリート造（RC造）、鉄骨鉄筋コンクリート造（SRC造）
4. 《ブレーカー工法》
特徴：
重機の先端に油圧ブレーカーを装着し、コンクリートを打撃で壊す方法。
メリット：
硬いコンクリートや基礎部分の破砕に有効。
デメリット：
騒音・振動が大きい。
5. 《ワイヤーソー工法》
特徴：
ダイヤモンドワイヤーを高速回転させてコンクリートを切断する工法。
メリット：
正確に切断でき、低振動・低騒音。大規模建物や部分解体に有効。
デメリット：
コストが高め。
6. 《カッター工法》
特徴：
ダイヤモンドブレードを回転させてコンクリートを切断。
メリット：
直線的で精度の高い切断が可能、床スラブや舗装の解体に適している。
デメリット：
騒音・粉じん・水の処理が必要。
7. 《転倒工法》
特徴：構造体の一部をワイヤーやジャッキで引き倒す工法。
メリット：
比較的短時間で解体可能。
デメリット：
周辺に広いスペースが必要、安全管理が難しい。
8. 《爆破解体工法》
特徴：
火薬を使用して建物を一気に崩す工法（海外で多い）。
メリット：
超高層ビルなど大規模構造物を短時間で処理できる。
デメリット：
日本では安全面や環境規制のためほとんど採用されない。
🏗️ 工法選択の基準
建物の構造（木造、RC造、鉄骨造 など）
建物の規模（戸建て住宅〜高層ビル）
周辺環境（住宅密集地、道路幅員、近隣施設の有無）
工期・コスト・安全性
👉 一般住宅（木造や軽量鉄骨造）の場合は 「手壊し＋重機併用工法」 が最も多いです。
👉 RC造やSRC造のマンション・ビルでは 「圧砕工法」「ワイヤーソー工法」「ブレーカー工法」 が多用されます。
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