1970年大阪万博と解体工事の事例
1.《展示後の解体と再利用の事例》
万博終了後、会場の多くのパビリオンは解体されました。その中で、オーストラリア館は三重県四日市市へ移設された例が有名です。
他にも、スカンジナビア館（北海道・石狩町）、ケベック州館（北海道・日高市）、タカラビューティリオン（奈良市）などへ移築されたパビリオンがありました。
一方で、会場内にそのまま残されたものもあります。例えば、万国博ホールや日本庭園、日本館、日本民芸館、鉄鋼館などがそのまま場所を変えずに利用され続けたケースもありました。
2.《解体規定とその背景》
国際博覧会条約および日本万国博一般規則では、基本的に展示物は1ヶ月以内、パビリオン本体は6ヶ月以内に参加者の責任で撤去することが定められていました。
このため、多くのパビリオンは非常に短い期間での撤去が必要とされました。
3.《現在残っている記念建築と公園の整備》
現在、旧会場は「万博記念公園（Expo Commemoration Park）」として整備され、市民に親しまれる公園になっています。
明らかに残され、シンボルとなっているのが、岡本太郎作の 「太陽の塔」 です。もともとビッグルーフ（大屋根）を突き抜ける形で設置されていましたが、ビッグルーフは1979年に解体されました。
太陽の塔は放置により傷みが進みましたが、その後保存・修復され、2018年には内部も再整備されて公開されました。
4.《パビリオンのその後》
◆オーストラリア館
・三重県四日市市へ移設
◆スカンジナビア館
・北海道・石狩町へ移設
◆ケベック州館
・北海道・日高市へ移設
◆タカラビューティリオン
・奈良市へ移設
◆万国博ホールなど
・現地に残り再利用された
◆ビッグルーフ（大屋根）
・1979年に解体
◆太陽の塔
・保存・修復され、公開中
つまり、万博の解体工事としては、「撤去」「移設」「現地再利用」という３つの形態が見られ、その後の活用方法はさまざまでした。
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