工事作業規則とは
「工事作業規則」とは
建設工事などの作業現場において、安全・衛生・作業手順・責任分担などを定めた社内ルールまたは規定書のことです。特に日本の建設業界や製造業などで使われることが多く、労働安全衛生法や関連法令を踏まえて企業や現場単位で作成されます。
🔍 主な目的
・労働災害の防止
・作業の効率化と標準化
・安全衛生水準の維持・向上
📘 規則に含まれる主な内容
(a)作業開始前の手順
・朝礼、KY（危険予知）活動、安全ミーティングなど
(b)作業中の注意事項
・高所作業の安全帯使用、重機操作時の立入禁止区域など
(c)安全装備
・ヘルメット、安全靴、保護メガネなどの着用義務
(d)緊急時対応
・災害・事故が発生した場合の連絡体制や避難経路
(e)作業責任体制
(f)許可作業
・火気作業、高所作業、クレーン操作などに関する事前許可制
📝 法令との関係
・「労働安全衛生法」では、一定の業種や作業において作業手順の明確化・記録が義務付けられています。
・「建設業法」や「労働基準法」なども関連し、工事作業規則の整備が推奨または義務化されている場合があります。
🏗️ 実務での運用例
・元請け企業が作業規則を定めて協力会社に遵守を求める。
・建設現場の作業所長が、着工前に全作業員へ説明会を行う。
・定期的なパトロール（安全巡視）で規則遵守状況を確認する。
📄 工事作業規則のサンプル
以下は、建設現場や工事現場で使用される「工事作業規則」のサンプル（抜粋版）です。会社や現場によって多少異なりますが、基本的な構成は共通しています。
◆第1章 総則
第1条（目的）
・本規則は、工事現場における安全確保、労働災害防止および作業の円滑な遂行を目的とする。
第2条（適用範囲）
・本規則は、当社が施工する全ての工事現場およびこれに従事する作業員、協力会社に適用する。
◆第2章 作業手順と安全衛生
第3条（作業開始前の確認事項）
・作業開始前に以下を実施すること。
・朝礼・KY活動（危険予知活動）
・作業内容・注意事項の確認
・アンカー確認および使用機械の点検
第4条（保護具の使用）
・作業員は以下の保護具を正しく装着しなければならない。
・ヘルメット（顎紐必須）
・安全帯（高所作業時）
・安全靴、保護メガネ、手袋 等
第5条（危険作業の管理）
以下の作業は作業主任者の立会いまたは事前許可が必要である。
・高所作業（2m以上）
・クレーン・重機操作
・溶接・火気使用作業
・電気設備の点検・改修作業
◆第3章 緊急時対応
第6条（災害発生時の対応）
・災害・事故が発生した場合は、速やかに現場責任者に報告し、以下の対応を行う。
・被災者の救出・応急手当
・危険区域の隔離
・関係者・緊急連絡先への通報（119, 110等）
第7条（避難経路）
・避難経路および集合場所は作業開始前に確認し、緊急時には速やかに避難すること。
◆第4章 作業体制
第8条（責任体制）
◆第5章 その他
第9条（教育・訓練）
・作業員は年1回以上の安全教育を受講しなければならない。また、新規入場者は事前に安全教育を受けること。
第10条（違反行為）
・本規則に違反した場合は、作業停止・退場・契約解除等の処分を行う場合がある。
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